小児科とは
小児科は新生児から中学生くらいまでのお子様が対象となります。主に発熱、鼻水・鼻づまり、咳、喉の痛み、腹痛、便秘、おう吐、下痢、夜尿症(おねしょ)、ひきつけ(痙攣)などの症状や小児特有の感染症や病気を診るのが中心になります。
また「子どもの体調が悪いが、どこの科で診てもらえばいいかわからない」、「様子がいつもと違う」といった場合も遠慮なさらずにご受診ください。発達段階における成長の特徴も踏まえながら、丁寧で親身な診療をいたします。
お子様のこんな症状はご相談ください(例)
- 発熱
- 鼻水、鼻づまり
- せき、痰
- 喉の痛み
- 呼吸がゼーゼーしている
- ひきつけ(痙攣)
- お腹が痛い
- おう吐、下痢
- 便秘
- 湿疹(ブツブツ)
- 肌のカサつき
- 機嫌が悪い
- 泣き方がいつもと違う
- 何となく元気が無い
- 顔色が悪い
- 食欲が無い
- おねしょ(夜尿症) など
小児科でよく見受けられる疾患
- 風邪症候群
- 突発性発疹
- インフルエンザ
- 急性中耳炎
- ヘルパンギーナ
- 咽頭結膜熱(プール熱)
- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
- 扁桃炎
- 水痘(水ぼうそう)
- 麻疹(はしか)
- 風疹
- 手足口病
- 溶連菌感染症
- りんご病(伝染性紅斑)
- 水いぼ(伝染性軟属腫)
- とびひ(伝染性膿痂疹)
- ウイルス性胃腸炎
- アトピー性皮膚炎
- 気管支ぜんそく
- 花粉症(アレルギー性鼻炎)
- おむつかぶれ
- あせも
- 細気管支炎
- 肺炎 など
小児の主な感染症
麻しん
風しん
水ぼうそう(水痘)
発症者のおよそ9割が9歳までに発症するのが水ぼうそうで、これは水痘・帯状疱疹ウイルスによるウイルス感染症です。感染力がとても強く、飛沫、接触、空気によって感染します。
同ウイルスに感染すると、最初は軽い発熱や頭痛などがみられます。その後、小さな赤い発疹や水ぶくれが顔や胴体などにポツポツと見られるようになり、そのうち全身に広がるようになります。発疹には、少し赤味を帯びたブツブツや水ぶくれ、膿疱などが混ざっており、口内や頭皮にもできることもあります。なお水ぶくれはすべてかさぶたになるまで続きます。このかさぶたになってから治るまでには、1週間ほどかかると言われています。
水ぼうそうは、一度発症すると免疫ができるので、再度発症することはありません。ただ、治癒後もウイルスは体内に潜伏しますので、数十年後に何らかのきっかけにより、帯状疱疹として再発することがあります。
治療については、主に抗ウイルス薬の使用となり、発熱やかゆみがある場合は対症療法による薬物療法も行います。なお、水ぼうそうは小児の定期予防接種です。対象年齢(1歳の誕生日)になったら速やかにワクチン接種するようにしてください。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
ムンプスウイルスによる感染症がおたふくかぜです。感染すると片側あるいは両側の耳下腺(耳たぶから耳の前の顎のラインに沿って)の腫れや痛み、発熱、痛みに伴う食欲低下などがみられます。
感染経路ですが、主に患者の唾液の飛沫を吸い込んだり汚染されたものと接触したりして、鼻や口を通して鼻・咽頭部からウイルスを取り込むことにより感染します。唾液腺の腫脹・圧痛、嚥下痛、発熱を主症状として発症し、通常1~2週間で軽快します。特効薬はないので、対症療法となります。
おたふくかぜで注意しなければならないのが合併症です。最も罹りやすいのが髄膜炎で、その他にも、髄膜脳炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを発症する場合があります。
なお小児の任意予防接種として、おたふくかぜワクチンを受けられます。任意のため自己負担となりますが、重大な合併症(難聴)をできるだけ避けるためにも、満1歳を過ぎたら、できるだけ接種するようにしてください。
インフルエンザ
病原体はインフルエンザウイルスで飛沫感染によって起きる呼吸器感染症です。1~2日間ほどの潜伏期間を経て、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れ、喉の痛み、鼻水、せきなど風邪のような症状も現れます。乳幼児の場合は、腹痛や下痢、嘔吐などもみられます。多くの場合、熱は3~4日ほどで、咳や痰などの症状は7~10日ほどでおさまるようになります。
この疾患は合併症として、中耳炎、副鼻腔炎、肺炎などに罹ることもあり、なかでも発症後24時間以内に合併症として稀に起きることがあるインフルエンザ脳症はとくに注意が必要です。症状としては、高熱が出た後にけいれん、意識障害、異常行動などが見られるようになります。
インフルエンザの治療については、主に対症療法となります。熱があれば解熱剤、咳が酷ければ咳止めなどを用います。また、インフルエンザウイルスに感染することで症状が悪化しやすい子どもや高齢者などには、抗インフルエンザ薬としてタミフルなどを用いることもあります。なお抗インフルエンザ薬は症状が出てから48時間以内に使用しなければ効果が現れません。
感染性胃腸炎(ロタウイルス、ノロウイルス)
ウイルスや細菌などが感染して発症する胃腸炎が感染性胃腸炎です。なかでもノロウイルスやロタウイルスによるウイルス性の胃腸炎はよく知られ、前者は11月~1月にかけての時期がピークで感染力が強く、発熱後に嘔吐や激しい下痢、腹痛が現れ、1~2日後に症状が治まるようになります。
一方のロタウイルスも冬の時期である2月頃に流行し、感染して発症すると発熱を伴う激しい嘔吐が始まり、間もなく白色の水のような下痢の症状も現れます。下痢の症状から通常の便通に戻るまで1週間~10日ほどかかると言われています。なお、嘔吐や下痢による脱水症状にも気をつけてください。このほか、合併症としてけいれんや肝機能障害などを起こすこともあるので注意が必要です。ロタウイルスにつきましては、小児の任意予防接種として、ロタウイルスワクチンを受けられます。任意のため自己負担となりますが、重大な合併症をできるだけ避けるためにも接種するようにしてください。接種の開始は生後2ヵ月からです。
なお治療についてですが、ウイルスを原因とする感染性胃腸炎に対しては特別な治療法はありません。そのため症状を軽減する対症療法が中心となります。ちなみに細菌が原因であれば、多くは抗菌薬が有効です。
小児の予防接種
小児の予防接種には「定期接種」と「任意接種」の2種類あります。定期接種とは、国が「一定の年齢になったら受けるように努めなければいけない」(接種の勧奨)と規定しているワクチンです。こちらの費用は公費負担になりますので、対象期間に接種すれば無料※になります。一方の任意接種は、国が定める法律外、対象年齢外の予防接種になります。ただ任意であっても、必ずしも重症化しないわけではなく、中には重症化すると命を落とす危険性の高い病気もあります。費用は基本的に自費になりますが、任意接種もできる限り受けていくことが推奨されます。任意接種のワクチン接種を希望される場合は、ご相談ください。
※対象期間を過ぎた定期接種は、全額自己負担で実施する「任意接種」となりますのでご注意ください。
定期予防接種の種類と回数および推奨年齢
定期予防接種の種類 | 回数および推奨年齢 |
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ヒブワクチン【不活化ワクチン】 | 生後2~4ヵ月の間に3回、12~17ヵ月までに1回の計4回の接種を推奨 |
小児用肺炎球菌ワクチン【不活化ワクチン】 | 生後2~4ヵ月の間に3回、12~15ヵ月までに1回の計4回接種を推奨 |
B型肝炎ワクチン【不活化ワクチン】 | 生後2~3ヵ月の間に2回、7~8ヵ月までに1回の計3回接種を推奨 |
4種混合ワクチン(DPT-IPV:ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)【不活化ワクチン】※ | 生後3ヵ月~2歳の誕生日前までに計4回の接種を推奨 |
3種混合ワクチン(DPT:ジフテリア・百日せき・破傷風)【不活化ワクチン】とポリオ【不活化ワクチン】※ | 生後3ヵ月~2歳の誕生日前までに計4回の接種を推奨 |
2種混合ワクチン(DT:ジフテリア・破傷風)【不活化ワクチン】 | 11~12歳に達するまでの1回接種を推奨 |
麻しん(はしか)・風しん混合ワクチン(MR)【生ワクチン】 | 1歳~2歳の誕生日前に1回、5歳~7歳の誕生日前までに1回の接種を推奨 |
水痘(水ぼうそう)ワクチン【生ワクチン】 | 生後12~15ヵ月で1回、その後6~12ヵ月開けて1回の計2回を推奨 |
日本脳炎ワクチン【不活化ワクチン】 | 3歳の間に2回、4歳の間に1回、9~12歳の間に1回の計4回を推奨 |
BCGワクチン【生ワクチン】 | 5~8か月未満の間に1回の接種を推奨 |
子宮頸がんワクチン(HPV)【不活化ワクチン】 | 中学1年生の女子が対象で計3回の接種を推奨 ※2013年6月から積極的接種推奨は中止 |
※4種混合ワクチンと3種混合ワクチンとポリオは、どちらかを選択
小児が受ける任意接種
小児が受ける任意接種は以下の通りです。
任意予防接種の種類 | 回数および推奨年齢 |
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ロタウイルスワクチン(1価もしくは5価)【生ワクチン】 | 1価は2回接種:1回目は生後8週から15週未満を推奨(生後6週から接種可能)。2回目は1回目の接種後4週以上間隔を空ける。 |
5価は3回接種:1回目は生後8週から15週未満を推奨(生後6週から接種可能)。2回目、3回目は前回の接種後4週以上の間隔を空ける。 | |
A型肝炎ワクチン【不活化ワクチン】 | 計3回:1歳から接種が可能で、2~4週間の間隔で2回接種し、その約半年後に3回目を接種。 |
おたふくかぜワクチン【生ワクチン】 | 計2回:生後1歳~15ヵ月までの間に1回、5歳~7歳の誕生日前までに1回を推奨。 |
インフルエンザワクチン【不活化ワクチン】 | 毎年10~11月頃に13歳未満の場合は2回の接種、13歳以上は1回の接種を推奨。2回行う場合は1回目の接種から2~4週の間隔を空ける。 |
骨膜炎菌ワクチン【不活化ワクチン】 | 計1回:2歳から接種可能 |
小児の予防接種の詳細は、
日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール等をご覧ください。