予防接種とは
当院では、成人向けの予防接種(注射によるワクチン接種)として、インフルエンザおよび肺炎球菌のワクチン接種を行っております。これら以外の予防接種については、別途ご相談ください。
高齢者は定期接種の対象です
インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの予防接種ですが、高齢者※の方につきましては、接種の一部費用を公費で負担する定期接種(肺炎球菌は対象者のみ)となっております。詳細はお住まいの自治体の公式ホームページをご覧ください。
※65歳以上、もしくは60歳から65歳未満の方で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方
インフルエンザワクチン
インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。なおインフルエンザに感染すると1~3日くらいの潜伏期間を経て発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。併せて普通の風邪と同じように、喉の痛み、鼻水、咳などの症状も見られます。さらに小児の場合は痙攣や中耳炎、急性脳症の症状がみられ、高齢者や基礎疾患をもつ方では肺炎を併発するなど、重症化することがあります。
このようなインフルエンザを予防する有効な手段のひとつが流行前のインフルエンザワクチン接種です。毎年少しずつ性質を変えるインフルエンザウイルスは、異なるタイプが流行しますので、それに対抗するためにも、予防接種は毎年行う必要があります。
ワクチン接種について
インフルエンザワクチンは年齢によって接種回数が異なります。13歳未満の場合は2回の接種、13歳以上は1回の接種となります。同ワクチンの接種は、生後5か月から可能です。なお2回接種する場合は、1回目の接種から2~4週の間隔を開けて2回目の接種をお受けください。
接種後、ワクチンの効果が出るまでは約2週間かかりますが、その効果は約5ヵ月間持続します。日本の場合、例年12月~翌3月頃にインフルエンザが流行しますので、毎年12月中旬頃までに接種することが望まれます。
肺炎球菌ワクチン
肺炎とは
肺炎は、細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に感染するなどして炎症を起こしている状態を言います。これは免疫力が低下するなどして、病原微生物が肺にまで入り込むようになって感染し、発症するようになります。なかでも高齢者や基礎疾患のある方が感染しやすく、治りにくい特徴があります。なお肺炎は日本人の死因の第3位を占め、肺炎による死亡者の9割以上が65歳以上の高齢者と言われています。
主な症状は、発熱や激しい咳のほか、息切れ、呼吸困難などです。重症になると、水分がとれなくなることによる脱水症状が見られ、呼吸が十分にできないことで酸素吸入が必要になることもあります。
肺炎球菌ワクチンとは
このような肺炎を予防するのに最も有効なのが肺炎球菌ワクチンの接種です。肺炎球菌とは、肺炎の原因菌の中で最も多い菌(大人の肺炎の20~40%は、この菌が原因)であり、この肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防するほか、重症化のリスクを低減させる効果が期待できます。とくに高齢者の方は、肺炎球菌ワクチンの接種は定期接種となりますので、対象となる方についてはできる限りお受けになるようにしてください。
また、インフルエンザワクチンの接種を併せて行うと、肺炎予防の強化にもつながります。そのため、肺炎予防には、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの併用接種が推奨されています。
※肺炎球菌ワクチンは接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出るケースがありますので、再接種を希望される方は、5年以上の間隔を空けてください。